はじめに
家探しを始めたのは、2022年9月頃のことです。
そして2022年12月、今の家と出会いました。探し始めてから、およそ3ヶ月でした。
この家は、空き家バンクには載っていませんでした。
どうやって見つけたのか。やったことは、特別なことではありません。
1. 集落をくまなく歩いて、空き家を探した
ぼくたちの引っ越しは、結果的に同じ集落内の引っ越しになりました。
ぼくは他府県や海外への教育移住も視野に入れていて、優はこの集落に住み続けたいと考えていました。話し合いながら、それぞれが調べたことを持ち寄って探しました。
まずやったのは、住み慣れた集落を「空き家を探す目」で、くまなく歩いて回ることでした。ふだん何気なく通り過ぎていた家も、その目で見ると、空き家らしい家が何軒もあることに気づきます。
2. 自治会の事務所へ打診した
頻繁に自治会の事務所へ行きました。伝えたのは、こんなことです。
「今ある空き家を教えてほしいです。新しく空き家が出たら、教えてほしいです」
自治会は、売り物件の窓口ではありません。でも、地域の家の事情をいちばん知っているのは、地域の人たちです。
3. 内覧した5軒は、すべて人からの紹介だった
情報集めとしては、市の空き家対策制度を調べたり、不動産屋のウェブサイトや「さかさま不動産」をチェックしたりしました。「さかさま不動産」は、住みたい側が希望を出して空き家の持ち主とつながる、民間のサービスです。
でも、実際に内覧した5軒は、どれもネットや制度から出てきた家ではありませんでした。知人からの紹介と、自治会からの紹介です。
情報を探す手段はいくつもありました。でも、ネットに上がっていない「見に行ける家」は、人のつながりから生まれました。
4. 内覧で確認したこと
家を決める前に、確認したのは大きく3つです。
- 家の状態(手を入れれば住めるか)
- 周辺の雰囲気(暮らしの場として合うか)
- ハザードマップ(災害のリスクはどの程度か)
とくにハザードマップは、長く暮らす場所だからこそ、最初に確認しておくべきだと思います。
5. うまくいかなかったこともありました
途中で家主さんの気が変わった家がありました。
金額が折り合わなかった家も、仏壇のことで進まなかった家もありました。
2022年12月、SNSに「移住先を探しています」と書きました。
すぐに何人もの方が声をかけてくださり、県外の空き家の話もいただきました。
励まされ、救われた気持ちになりました。
当時8歳と4歳の子供達は、ここで幸せそうにしていました。
それを見て、他府県へ引っ越す必要は感じなくなりました。
6. この家との出会いは「地域の活動」からだった
今の家との出会いは、当時、ぼくたちが地域活性化委員をしていたことから生まれました。
委員の活動の中に空き家調査があり、その中でこの家の存在を知りました。
現地を見に行き、自治会の事務所に「あの空き家の家主さんとお話しをしたい」と相談すると、すぐに取り次いでくださいました。
そのあと電話をすると、ご夫婦はすでにぼくたちのことを知ってくださっていました。
空き家探しは、物件情報を探す作業ではありますが、地域と関わる中で見つかるものでもあったのです。
7. 決め手は、家主さんの人柄でした
5軒を見て、最後の決め手になったのは、家主さんの人柄でした。
お互いの状況や想いを話し、家を案内していただきました。
その後、「話し合って、返事を聞かせてください」と言われましたが、ぼくたちの気持ちはもう固まっていました。
ご夫婦には、子供に向ける優しい眼差しがありました。
本当に大切にしたいものがぼくたちと重なる、そんな手応えがありました。
ご夫婦は、地域のためにこの家を活かしてくれる人を探しておられました。
まとめ:物件より先に、地域との接点を作る
空き家バンクに載っていない家は、探し方を変えると見つかることがあります。
- 集落を歩いて、空き家と地域の雰囲気を自分の目で見る
- 自治会に「今ある空き家」と「これから出る空き家」を聞く
- 制度やウェブサイトで情報も集める。ただし内覧の決め手は、人の紹介だった
- 地域の活動に関わると、出会いが生まれる
外から来る方は、同じようにはいかないかもしれません。
ぼくたちが取り次いでもらえたのは、この集落で暮らし、自治会との関係があったことも大きいです。
どこまで教えてもらえるかは、地域の規模や関係によって変わります。
大事なのは、「この人になら教えてもいい」と思ってもらえるかどうかだと思います。
地域のイベントに足繁く通うことも一つです。
自分の目的達成のために人を利用しようとしないことも大切です。
その後:探す側から、相談を受ける側へ
今はぼくたちも、相談を受ける側になりました。
答えは人によって変わりますが、知りたいことには真摯に答えています。
また、家を手に入れる方法は購入と賃貸だけではありません。譲渡という形もあります。
ネット上の0円物件とは違い、人と人の出会いそのものです。
まず先にヒトがあります。
移住したい地域が見つかったら、ぜひ、そこに住む人に聞いてみてください。空き家バンクに掲載されていない情報は、地域の中にあります。
2023年からは、この家をセルフリノベーションしました。今は築120年のこの家で、夫婦でお店を営んでいます。
暮らしと商いを分け過ぎず、一つ一つ丁寧にすることを心がけています。
移住やお店を持つこと。そんなお話は、手紙のように書いているメルマガ「角打ち」でも綴っています。
